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子育て支援事業

わんぱく教室(くるみっ子教室)について

・対象者
家庭で保育をしている親子(0歳〜就学前のお子様)

10:00~11:00
   室内遊び・戸外遊び
11:00~11:30
   絵本の読み聞かせ・手遊びやリズム体操
   親子の触れ合い遊びなど
 
是非遊びに来て下さい口を広げてにっこりした顔
たくさんのご参加お待ちしています

実施日及び時間

1)毎週火曜日
 
2)午前10時〜午前11時30分頃
 
3)担当保育士 1名

子育て情報

7月 育ち合う子どもたち
 子どもというのは、自分の子どもだけが育つという事はありえなくて、育つというより育ち合う存在ですから、親は、自分の子どもと一緒に育ち合ってくれる他の子どもたちが視野に入っていなくてはいけないのです。ある保育園で聞いたお話をひとつご紹介します。とある年長組の四人の仲間がいたのですが、みんな虫が好きで、遊びはいつも図鑑を見るか、園庭での虫探し。こんな子ども達ですから、園のお楽しみ会のお遊戯なんて、全く興味がありません。練習中、ちょっと目を離すと、すぐに園庭に出て行って走り回ってしまうそうで、もうお遊戯の練習もあったものではありません。さてどうしたものか。考え出されたアイディアが、劇の登場人物を、四人の好きな虫たちにするといったものでした。すると四人とも無事に練習に参加して、劇を成功させたというのです。虫博士四人の影響で、クラスのみんなも、虫に無関心ではいられなくなって、散歩中にちょっとめずらしい虫を見つけると、みんなで大喜びするようになったとか。このような保育園でのお話を聞く度に、私は、子どもは子ども同士で、ちゃんと遊び合い、育ち合っていくのだと思うのです。ところが、親が「子ども同士で育ち合う」ということを知りませんと、自分の子どもだけを一生懸命に教育しようとします。大切な勉強を塾の先生から、野球やサッカーをスポーツクラブのコーチから。大人からいろんなことを教えてもらっていれば、大丈夫と思ってしまいます。そして、家庭で親がきちんとしつけをしていれば、申し分ない子どもに育つと、思い違いをしている親がいないでしょうか。確かに知識は増えるでしょう。スポーツやピアノの技術は伸びるかもしれません。しかし、子どもの人格の中心部分は、そんな事だけでは育たないのです。知識や技術は、それだけでは人格の形成に無関係だということを、ひょっとすると最近の人は知らないのかもしれません。算数ができたってサッカーが上手だって、それで人格ができたということではないのですね。子ども自身が、自分の年齢相応の社会性を身に着けていかなければ、その子ども達は、子ども達の社会になじめないのです。こんにち、児童精神衛生のクリニックは、社会性の不足した子ども達で大変な混雑です。子ども達は不登校、かん黙、家庭内暴力、拒食、非行などの非社会的、あるいは反社会的な行動がでていて、親に連れられてやってくるのです。彼らの多くに共通している事は、なにごとも大人からしか、学んでいないという事です。子どもは、子どもから学ばなければ、子どもの社会に適応するための、社会的人格を身に着ける事ができないという事です。このような能力は、小学生になって急に身につくものではありません。幼児期からの友達との遊びを通して、発達的に獲得されていくもので、大人にはけっして教えてあげる事のできないものだと思います。子どもは、本当に色んな人との関係の中で育ち、互いに育ち合うのです。ですから、子どもを育てるという事は、まず親自身が、どういう人たちと、どのようにコミュニケーションをしながら、地域社会で日々生きているかということを、子どもにお手本を示す事が必要でしょう。それぞれの地域社会に何軒かは、家族ぐるみで付き合えるような家族を見つけるということ、それが育児をするための基本的要件だというぐらいの気持ちは、もった方が良いのではないでしょうか。

8月 ありのままの子どもを受け入れること
 人間というのは、どこかで全面的に受容される時期があればあるほど、安心して自立していけるのです。自分が全面的に受容されるということは、ありのままの自分を承認されるということです。ありのままに承認されるということは、子どもにとっては、このままで私は良いのだという安心感、すなわち、自信になるのです。人生のできるだけ早い時期に、この安心感が与えられるのが大事なのです。そして、できるだけ条件の無い状態で、自分を認めてくれる人をもつということは、その人をそれだけ大きく信頼することであり、ついでその人を基準にして、そのほかの色んな人を信頼していけることになるわけです。ですから、親を通して親以外の人も信頼する、やがて先生や友人を通して、その先生や友人以外の人も信頼するようになるのです。だれもが、人生のできるだけ早い時期に、可能な限り全面的に受容されるという経験が必要なのですね。人間はだれもが安心して生きていきたいから、自分をできるだけありのまま認めてくれる人を、一生懸命見つけようとします。まず親とか祖父母とかに、無条件の愛や受容を求めようとします。ほぼそれに近い承認のされ方をして育ってきた子どもは、無理して友達を求めないで、むしろ、友達を承認したりしています、余裕があるのです。反対にそれが少なかった子どもは、だれかに承認してもらおうと友達を探します。受容してくれる人をつぎつぎ見つけようとします。子どもにとって全面的に受容されるという事は、それだけ絶対に必要なのですね。それが自分の価値を大きくすることなのですから。それは本当は、早い時期が良いのですが、でも、おくれてでも、いつかは必ずやってあげなくてはいけない、大切なことです。何歳になっても、必ずやってあげる必要のあることなのです。人間はだれもが、たえず受容され、承認され続けていなければならない存在です。大きくなるにしたがって、互いに受容し合う、相互依存の関係で生きていくことになります。その場合に、早い時期に十分な受容や承認を得られている子どもですと、それだけ相手を受容しやすい感情が育っていますから、相手からも承認を得やすく、友達もできやすくなります。ところが、そうはいかないで、孤立しがちな状態が続いてきますと、たとえば、思春期になっても仲間とか友人に恵まれないままでいることが多いようです。そしてなんとか相手に認めてもらおうとするので、非常に早い時期から熱心な恋愛をくり返しがちになります。そういう傾向があるようです。一般に、親や家族から十分に受容されてきた若者は、中学生や高校生くらいの早い時期に、すごく恋愛に陥るということは少ないようです。親や家族に十分に受容されたという実感のない若者ほど、早くに深い恋愛にのめり込むことが多いと思います。そして、幼い子どもがお母さんに甘えているように寄り添って、公園のベンチや電車の座席で、人目をはばからないで恋愛しています。そして多分、ずっと年上の人と恋愛しがちです。年齢がずっと離れている場合には、ほぼ必ず年上の人の方が相手を大きく受容することになりますから、そういう風にして、過去の愛され方の不足を補おうとしたり、自分の名誉や価値なんかを回復しようとするのですね。親は子どもをありのまま受容してあげてください。たとえもう何歳になっていたとしても、必要な分だけ受け入れてあげてください。
出典:「子どもへのまなざし」
    児童精神科医 佐々木正美


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